怪しい財政


家の中を静かに捜索していると、予想以上のものが見つかった。リサが引き出しを開け、分厚い封筒を取り出す。「これを見るべきよ」と言って、私に手渡した。中には請求書、領収書、手書きのメモが入っており、どれも不審な金融活動を示唆していた。これは単なる不動産の維持管理ではない。説明のつかない、疑わしい大規模な取引だ。

それらをめくると、私の心拍数は速くなった。記録の一部はリノベーションを、他の一部は見慣れない口座への電信送金を示唆している。これが単なる副業であるはずがない。何かさらに暗いもの――隠し資産、裏取引――のように感じられる。リサと視線を合わせ、私たちはお互いに分かっていた。これは単なる裏切りではない。私たちがようやく足を踏み入れた、隠された世界なのだ。

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